【✨ プロが解説する経穴(ツボ)の世界 ✨ | Vol. [1] 公孫 (こうそん)】
※ 当院でのツボの使い方を書きますが、真似しても恐らく効きません。
※ツボは開いてる所に刺激しないと何も起こりません。
※ 開いてる部分を見つけるのは訓練か工夫が必要です。

【✨ プロが解説する経穴(ツボ)の世界 ✨ | Vol. [1] 公孫 (こうそん)】
東洋医学の深淵に触れる、経穴の知識。
今回は、当院でも非常に重要視し、多くの施術で活用している「公孫(こうそん)」について、その理論と臨床応用を詳しくご紹介します。
【公孫とは? – その位置づけと重要性】
- 経穴分類: 足の太陰脾経に属する「絡穴(らくけつ)」であり、全身の気血の流れに影響を与える重要なポイントです。さらに、「八総穴(はっそうけつ)」の一つとして、生命エネルギーの根源的な通路である「衝脈(しょうみゃく)」の調整に不可欠な経穴とされています。
- 名前の由来: 「公孫」という名は、古代中国伝説上の帝王「黄帝」の別名に由来します。この一点からも、古来よりこの経穴がいかに重要視されてきたかが伺えます。古代の賢人たちが、その計り知れない効果効能に敬意を表して名付けたのでしょう。
【臨床における公孫の効果 – 実績に基づく知見】
古典には「心腹五臓の病を治す」(鍼灸大全)との記載があり、その応用範囲の広さが示唆されています。当院の臨床経験においても、公孫は以下のような多岐にわたる症状改善に目覚ましい効果を発揮しています。
- 消化器系: 下痢、便秘、慢性的な胃腸の不調、激しい腹痛
- 婦人科系: 月経不順、生理痛
- 精神神経系: 不眠症、不安感
- 全身調整: 五臓(肝・心・脾・肺・腎)の機能失調、原因不明の体調不良
特に、消化吸収を司る「脾」の経絡に属し、かつ生命力の源である「衝脈」にも通じることから、全身のエネルギーバランスを整える上で極めてパワフルな作用を持つと考えています。実際に施術で用いると、効果を及ぼす範囲が比較的広いという特徴も体感しています。
【専門的な活用法 – 公孫を活かす配穴】
公孫単独でも力強い効果を発揮しますが、他の経穴と組み合わせることで、より精緻な治療戦略を組み立てることが可能です。
- 内関(ないかん)との組み合わせ: 奇経である衝脈の変動を調え、特に胸部・腹部・心に関わる症状(動悸、吐き気、胃痛など)に対応する際に用います。
- 太衝(たいしょう)寄りの取穴: 同じ足部にある肝経の太衝にやや近づけて取穴することで、ストレスや緊張からくる自律神経系の乱れ(イライラ、消化不良など)に対し、肝と脾の両経を同時に動かし、バランスを回復させます。
- 大包(だいほう)との組み合わせ: 脾の大絡(全身の絡脈を統括する)である大包と配穴することで、脾経全体の機能を高め、栄養の吸収・運搬といった根源的な生命活動をサポートします。


